拳の角度(左フック)_3

拳を横にしたフックを打つ選手が少ない理由を少し考えてみました。
拳を横(掌が下向き)にしたフックは拳の小さいポイントを当てられるので力が伝わりやすいですが、肘が上がって脇が開きやすくなってしまいます。
ディフェンスする側は肘や肩の動きがパンチの予測となるので、打つ方は動きが小さいほど相手に悟られずにパンチを出せますね。
小さく早いパンチを打つということを考えると、やはり拳を縦(掌が内側)にしたフックの方が自然に打てます。

しかし拳を横にしたフックの利点をもう一つ。
ガードの高い選手でも、右ガードはせいぜい顎を守る程度の高さです。
拳を縦にしたフックを打った場合、当然縦方向の面積が大きいので頭部の側面にヒットさせたくても、顎を守る相手のグローブでさえ邪魔になります。
(拳が縦のフックの場合、やや下斜めからの軌道なのも影響)
拳を横にしたフックの場合ですが、縦面積が狭くなるので相手の顎ガードの上側を抜けてテンプルにヒットさせるのに有効!
おやじファイトだとグローブが大きいのでガードの間を縫うパンチというのはなかなか見られませんが、試す価値ありですよ。

 

Michiroh YAMADA

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